木はいつも私たちの身近にある馴染み深い素材です。触れても、見ていても、優しく感じるのは、きっと大自然の中で育まれた素材だからに違いありません。森の中では、空気中の二酸化炭素を炭素として定着させ、酸素を排出して地球環境を守り、建材となっては、鉄やコンクリートよりはるかに軽い素材ながら、強い構造材となり暮らしを守ってくれる。
鉄筋コンクリート造の空間の中にいても、木調のインテリアだとなんだかほっとします。それはきっと、私たちの心の奥深くに根ざした感覚なのだと思います。森の中で育まれた素材だから、どこか温かみがあり、どこか柔らかい。多くの方々に選ばれてきた理由がそこにあるのだと思います。
木材は加工のしやすさと強さを合わせ持った理想的な素材です。しかも、計画的に植樹することで、半永久的に再生産できる資源でもあります。そして、廃材となってもエネルギーとして利用すれば化石燃料の消費を抑制できる他、一度利用された木材から新たな製品に再加工することも可能。木は自然が与えてくれた究極のリサイクル資源なのです。
木造の住宅は、鉄骨造や鉄筋コンクリート造と比較すると安価です。しかも耐用年数を比較すると、マンションなどの鉄筋コンクリート造の建物はおおむね50〜60年と言われているのに対して、木造の建物は大切に使うことで100年以上の長寿命を維持している例は少なくありません。
森の中の木々は、光合成によって酸素を排出しながら二酸化炭素を吸収し、炭素として貯蔵します。それが製材されてツーバイフォー住宅となった時の炭素貯蔵量は、戸あたり約6トンと試算されており、鉄筋コンクリート造(1.6トン)と比べると大量の炭素を蓄えているため、「都市の中の森林」と例えられるほどです。
施工時の最も大きな特徵は、建材の規格や施工法がマニュアル化されていることです。建材の規格はもちろん、これらを固定する釘やビスの箇所や打ち方、使用本数まで厳密に規定することで、耐震・耐火・気密・耐久など、高品質、高性能な住まいを実現します。また、工期の短縮やコストの軽減といったメリットも生まれます。
ツーバイフォー工法では、わかりやすく規格化された構造用製材や構造用合板を使用しています。それぞれの材料はサイズや強度、含水率などの厳しいJAS規格をクリアし、それらの情報が明記されているものを使用。クギについても用途別にカラーリングが施されており、施工後のチェックがしやすいように、徹底した「見える化」が図られています。
JAS規格とは
日本農林規格のこと。建築用の木材の場合は、サイズや強度、含水率な
どに厳しい基準が設けられており、ツーバイフォー工法で使用されるほ
とんどの構造用製材は、この基準に基いています。
1本ずつカラーリングされた専用クギ
用途別にカラーリングされ、使用位置や使用する本数まで決められており、厳密な施工が行われます。またカラーリングは施工後のチェックを視覚化できるメリットもあります。
マニュアルに沿って進行する構造躯体の組み立て工程
面で構成されるツーバイフォー工法は、四方の壁、床、天井の六面体で居室やLDKなどの空間を構成します。それらの空間が組み上がると、家全体が頑丈な一体構造(モノコック構造)となり、地震や台風による外力を一点に集中させることなく家全体に分散するため、万が一の大地震でも倒壊しにくい強度が生まれるのです。
一体構造(モノコック構造)とは元々極限の強度が求められる航空機用に開発されたもので、新幹線やF1レースカーにも採用される極めて強固な構造です。ツーバイフォー工法では、構造計算に基いて、基礎と建物、1階と2階の壁など、建物の接合部を様々な金具で連結させて、横からの力だけでなく、上下やねじれにも強い安定した構造体を形成します。
※構造計算に基づいて必要箇所全体に設置しています。
※物件によって仕様・設備・構造が異なる場合があります。詳しくは係員にお尋ねください。